脂質制限と糖質制限の5つのダイエット比較まとめ②
今回は脂質制限ダイエットと糖質制限ダイエットの5つの比較をお伝えします。
前回のブログでは5つの比較のうち2つ、「ダイエット効果の違い」と「メリット、デメリット」について紹介しました。
今回は残りの3つ、「おススメの三大栄養素の割合(PFCバランス)」、「食の好みによる選び方」、「行う上での注意点」について、徹底的に比較していこうと思います。
脂質制限も糖質制限もどちらも筋肉量が減り辛く、ダイエット効果の高い方法です。
なのでダイエットを行うときに、脂質制限で行うか糖質制限で行うか、かなり迷う方も多いです。
ただ、より自分に合ったダイエット法を選ぶことができれば、ダイエットの成功確率は上がりますし、ストレスも少なく比較的ラクにダイエットができるでしょう。
前回のブログと合わせて、今回のブログを見ていただければ、脂質制限と糖質制限ではどういった違いや特徴があるのか、自分にはどっちのダイエットが向いているのかも何となく見えてくると思います。
前回のブログは下記からどうぞ
目次
脂質制限と糖質制限の軽い説明
まず1つ目、脂質制限と糖質制限について軽く説明します。
ます脂質制限とは何かというと、三大栄養素のタンパク質、脂質、炭水化物のうち、脂質を抑えて痩せていく方法で、調理あぶらや肉、魚のあぶらをなるべく取らないようにして行っていくダイエット法です。
一方、糖質制限は三大栄養素のタンパク質、脂質、炭水化物のうち炭水化物、糖質をしっかり抑えていく方法で、主に主食である米やパン、麺といった糖質源をなるべく取らないようにして行うダイエット法になります。
脂質制限と糖質制限のやり方について詳しく知りたい場合は、過去のブログを見てみてください。
おススメの三大栄養素の割合(PFCバランス)の比較
続いて、2つ目の脂質制限と糖質制限のおススメの三大栄養素の割合(PFCバランス)の比較について説明していきます。
三大栄養素のバランスはPFCバランスともいわれますが、このPFCバランスは、ダイエットでも筋肉をつける上でも、かなり大切です。
PFCバランスについて簡単に説明すると、Pはタンパク質、Fは脂質、Cは炭水化物のことで、このタンパク質、脂質、炭水化物をどういった配分で摂取していくかが、PFCバランスとなります。
例えば、脂質制限だったら、脂質は少なく、タンパク質と炭水化物が多めのPFCバランスになりますし、糖質制限だったら、炭水化物、つまり糖質は少なく、タンパク質と脂質は多めというPFCバランスになります。
このバランスを自分の1日の目標にしている摂取カロリーの範囲内で決めていくことになるわけですね。
ちなみに脂質は1gあたり9kcal、タンパク質と炭水化物(糖質)はそれぞれ1gあたり4kcalのエネルギーに体内で変わると言われています。
それでは早速、脂質制限、糖質制限のおすすめのPFCバランスを見ていきましょう。ただ、あくまで今回紹介するPFCバランスは、1つの考え方なので、参考程度に留めてください。
まず、脂質制限のおすすめのPFCバランスは、1日の摂取カロリーの、タンパク質が30%、脂質が20%、炭水化物が50%です。
例えば1日の摂取カロリーが1500kcalだとすると、タンパク質は1500kcalの30%なので450kcalの摂取、脂質は1500kcalの20%なので300kcalの摂取、炭水化物は50%なので750kcalの摂取となります。
一方、糖質制限のおすすめのPFCバランスは、1日の摂取カロリーのタンパク質が30%、脂質が60%、炭水化物が10%です。糖質制限でもここまで糖質を抑えるとケトジェニックですね。
例えば1日の摂取カロリーが1500kcalだとすると、タンパク質は1500kcalの30%なので450kcalの摂取、脂質は1500kcalの60%なので900kcalの摂取、炭水化物は10%なので150kcalの摂取になります。
この2つのPFCバランスを比較していくと、まずタンパク質はともに1日の摂取カロリーの30%なので、脂質制限でも糖質制限でも摂取量は変わりませんが、脂質量は、脂質制限は当然低く20%、糖質制限は多めの60%と大きな差があります。
これは、糖質制限の場合は、糖質の代わりに脂質をカラダの主なエネルギー源にしないといけないから多くなっているわけですね。
一方、脂質制限ではカロリーの多い脂質を低くすることで摂取カロリーを抑え、体脂肪を減らしていきます。
そして、この脂質量の違いによって、選ぶタンパク源が変わってくるわけですね。
脂質制限の場合、しっかりとタンパク量を取りつつ脂質を抑えないといけないので、タンパク源は鶏むね肉やマグロの赤身など低脂質なたんぱく源が主となります。
一方糖質制限の場合、しっかりとタンパク質を摂りつつも脂質も多めの量を摂りますので、ある程度脂身のついた、牛肉や豚肉も食べることができます。なので、タンパク源の選べる種類も多くなります。
まとめると、脂質制限の場合は低脂質なたんぱく源を選択する必要があり、糖質制限の場合は、ある程度色々なタンパク源をチョイスできるというになります。
続いて、炭水化物量、糖質量の違いです。脂質制限は多めの50%、糖質制限はもちろん少ない10%とこちらも大きな差があります。
糖質制限は、糖質をしっかり抑えることで体脂肪を減らしていくので、主食はほぼ食べることができませんし、調味料や野菜からの糖質摂取も注意する必要があります。
一方、脂質制限は脂質を減らしカロリーを抑える代わりに、糖質源、主食を多く食べ、カラダのエネルギーを得ます。
ただ、脂質制限と言えど、脂質の多い糖質源は食べることはできません。例えば、オイルやクリームを使ったパスタ、パンなどですね。
またハンバーガーなど、主食+主菜が組み合わさったものも脂質が多いケースが多く、食べることができない場合が多いです。
なので、脂質制限で糖質を摂れるといっても、米やイモ、パンならベーグルといった純粋な糖質のみの食材で糖質を摂ることになります。
まとめると、糖質制限は主食や調味料などからの糖質摂取をなるべく減らし、脂質制限は主食はしっかり食べられますが、主食からの脂質摂取に注意しなくてはいけないということです。
以上がおススメの三大栄養素の割合の比較です。
食の好みによる選び方の比較
続いて3つ目の食の好みによる選び方の比較を説明したいと思います。
脂質制限か糖質制限かを選ぶときには、色々なことを考慮して選択するのが理想ですが、その中でも自分の食の好みで選ぶということは、かなり大切な要素になります。
理由としては、ダイエットはどうしても食事を制限する必要が出てくるので、なるべく自分の好きな食事や食材でダイエットする方が、ストレスが少なく、圧倒的に長続きするからです。
皆さんもできれば、自分にとって無理がない、ストレスが無い、ラクにできるダイエットの方が良いと思っているはずで、そのためには自分の食の好みにダイエット法を合わせていくことも大切になってくるわけです。
まず脂質制限と糖質制限で大きな違いは、米やパン、麺といった主食を食べることができるか、できないかという点です。
主食が大好きな人は、脂質制限が合っているかもしれません。逆に主食を食べなくても別に大丈夫な人は、糖質制限でもストレスなくできる可能性があります。
ただ脂質制限でもラーメンやベーグル以外のパン、市販のパスタは脂質が多く食べられないことがほとんどです。なので、こういった糖質+脂質の食事が好きな人は、僕の経験上、糖質制限の方が合っています。
なので、単純に米が好きな人は脂質制限、ジャンクフードが好きな人は糖質制限を選んでおくと良いかもしれません。
次に脂質制限と糖質制限で大きな違いといったら、低脂質な食材を選ばないといけないか、そうでもないかという点です。
特にタンパク源の選び方に大きな差が出ます。
タンパク源でも鶏肉が好きな人は、脂質制限でも問題なくできる可能性が高いです。なぜなら鶏肉は脂質が少なくコスパの良いタンパク源だからですね。
逆に鶏肉があまり好きではなく、豚肉や牛肉を良く食べている方は、脂質を抑えるのが難しくなってくるので、糖質制限の方がやりやすいでしょう。
また、肉や魚、卵などのタンパク源をあまり食べることができない、食べたくないという場合にはプロテインパウダーでタンパク量を補ったりしますが、そうなると脂質制限の方がやりやすい場合があります。
理由はプロテインは脂質が少ないので、タンパク量をプロテインに頼っている場合、脂質不足になるからです。
そうなると糖質制限だと脂質を追加で摂らなければいけませんが、脂質制限なら特に脂質を追加する必要もない場合が多くラクだからです。
さらに調理方法の好みによっても変わってきます。
茹でたり、蒸したりといったシンプルでヘルシーな調理が好きな方は、脂質制限がおすすめです。
逆に油を使って炒めたり、焼いたり、あまり良くありませんが揚げたりといた調理が好きな方は糖質制限の方がやりやすいでしょう。
まとめると、食の好みが脂質制限に合っている人は、シンプルに米が好き、鶏肉が好き、プロテインにタンパク量を頼っている、ヘルシーな調理が好きな人です。
一方、食の好みが糖質制限に合っている人は、主食は食べなくても別に良い、ジャンクフードが好き、鶏肉が苦手、油を使った調理が好きな人です。
以上が食の好みによる選び方の比較でした。
行う上での注意点の比較
続いて、行う上での注意点の比較について解説します。脂質制限、糖質制限それぞれ3つずつ注意点を挙げていきます。
まず脂質制限の注意点1つ目が、夕食の糖質摂取量です。
理由は、夕食後は日中ほどの活動量があるわけではない、あとは寝るだけになってしまうので、夕食で糖質を摂ってしまうと、摂取した糖質が消費されず体脂肪に変わりやすくなってしまうからです。
僕の今までの指導経験から、夕食に糖質を多くとってしまうとやっぱり痩せづらい方が多かったです。
具体的なやり方の例として、例えば白米炊き上がりを朝150g、昼150g、夕150gと3食で1日合計450g食べているとしたら、夕食の分の150gを朝と昼に分配して、朝250g、昼200g、夕0gという感じにします。
1日に摂る総糖質量は変えずに、夕食だけできるだけ少なくするというイメージですね。
こうすることで、より脂質制限を効果的に行うことができると思います。脂質制限でも夕食の糖質摂取は抑えていきましょう。
2つ目の脂質制限の注意点が、お菓子の糖質です。
理由は、お菓子の糖質は主に砂糖なので、この砂糖が体脂肪をつけてしまう力がすごく高いからです。
たまに、洋菓子ではなく和菓子なら、ほぼ糖質のみなので、食べても良いのではという意見をもらいますが、僕がそれをあまり良くないと言っているのは、この砂糖のせいなんですね。
ただ、唯一高強度のトレーニングの後であれば、この砂糖が体脂肪に回り辛く、筋肉の回復に使われるようなので、トレーニング後であれば、脂質の少ない和菓子であれば食べても大丈夫かと思います。
もちろん、糖質制限ではトレーニング後であっても砂糖の摂取は控えた方が良いです。
脂質制限でも、お菓子からの糖質摂取はなるべく控えましょう。
続いて、3つ目の脂質制限の注意点が、タンパク源の脂質量です。
これは、今まで何度も言ってきましたが、タンパク源から一番脂質を摂ってしまうケースが多いからです。
なので、低脂質なタンパク源をチョイスして、かつできれば蒸す、ゆでるなどのヘルシーな調理法にすることで、脂質量を抑えていきます。
タンパク源からの脂質量を抑えて、効率よく脂質をカットしていきましょう。
まとめると、脂質制限の注意点は、夕食の糖質摂取量に注意、お菓子は糖質といえどあまり良くない、タンパク源の脂質量に注意です。
次に、糖質制限の注意点です。まず1つ目が、調味料や野菜からの糖質量です。
理由としては、調味料や野菜からの糖質量は把握しにくく、意外と積み重なって糖質量が多くなってしまうケースがあるからです。
例えば、調味料はソースやケチャップ、みりん、小麦粉、たれ、めんつゆなどが糖質量が多く注意しなくてはいけないですし、野菜だと玉ねぎ、れんこん、とうもろこし、かぼちゃ辺りは結構糖質量が多いので注意です。
1日どのくらいの糖質摂取量にするかによって、許容できる範囲が変わってきますが、ケトジェニックで行う場合は、調味料や野菜からの糖質量にも注意しましょう。
続いて、2つ目の糖質制限の注意点が、意外なものに入っている糖質量です。
これは糖質が少なそうだから大丈夫だろうと思っても、意外と糖質量が多い食べ物だったなんてことはよくあります。
例えば、納豆といった豆類の食材は糖質が割とあります。またちくわやかまぼこ、魚肉ソーセージいった練り物系にもでんぷんや砂糖が入っているので注意です。
またハンバーグやからあげといった揚げ物の衣にも糖質が含まれているので、タンパク源であっても、これらには注意しなくてはいけません。
しっかり成分表、原材料を確認して、意外な糖質源に注意しましょう。
最後に、3つ目の糖質制限の注意点が、ケトフルーに注意です。
ケトフルーも今まで何度か説明していますが、簡単に説明すると頭がボーっとしたり、頭痛が出たり、眠りが浅くなってしまったりといった体調不良が起こります。
次第に収まることが多いですが、中にはこのケトフルーの症状が強く出る方もいます。
ケトフルーの対処法としては、しっかり糖質を抑える、水をたくさん飲む、MCTオイルを摂取する、ミネラルを補給する、よく寝るといったことが挙げられますが、なかなか体調不良が治らない場合には、糖質制限をやめて別のダイエット法にすることも検討しなくてはいけなくなります。
特に糖質制限初期には、ケトフルーの予防をする、自分の体調の確認をしっかり行うようにしていきましょう。
まとめると、糖質制限の注意点は、調味料や野菜からの糖質量に注意、意外なものに入っている糖質量に注意、ケトフルーに注意です。
以上が行う上での注意点の比較でした。
今回脂質制限と糖質制限の比較パート2ということで、脂質制限と糖質制限の軽い説明、おススメの三大栄養素の割合(PFCバランス)、食の好みによる選び方、行う上での注意点についてお伝えしました。
前回のブログと合わせて、ぜひ脂質制限と糖質制限で迷ったときの参考にしていただければと思います。